TW3「エンドブレイカー!」のキャラブログ。
PBW、TWと言った単語に興味のない方は回れ右推奨。
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疼いて止まらない、幻覚。
疾うに完治して痕(アト)が残るのみとなった背中の傷。
時折疼いて、思わず眉を顰める。
それは単なる幻痛、解っている
わかっていて尚忘れられないのは――
◆
寒い日だった。
そのくせ雲ひとつ無く、星が目映いばかりにちらついた夜だった。
けれど僕はそんなものを眺める余裕も無く、ただ
二つ年下の弟を、奥の部屋へと押し込んだ。
何が切欠だったろう。
僕の、僕らの何でもない夜は只管に、怒号と足音で埋め尽くされた。
母が作った夕食も、帰宅したばかりの父の土産話も、弟のはしゃいだ声も
音を発する間もなく踏み潰された。
どうして、と、僕は小さく呟いた気がするけど
それは誰にも届かなかったように思う。
父の微かな呻き声を傍らに、一人の男が母に詰め寄り
母は何かに怯えたように立ち竦んだ。
其の足元にはアカが、夥しいほど海になって
母の腕はその中に沈んで、
笑い声が絶叫と混じって耳を撃った。
母の背中に銀色のヤイバが咲いて、アカく
崩れ落ちた身体の中の、双眸だけは弟と同じ青色をしていて
「かあさん」
僕と同じ灰色の髪、父の髪はアカを吸って、もう見えなくて
「とうさん」
僕もそうなるんだって思って、震えが止まった
弟は扉の向こうに居て
窓から逃げろと言ったけど、きっとまだ其処に居て
僕の名前をずっと呼んでる
声が聞こえる
震えているのが解るくらいちかくで。
「にげろっていったじゃないか、ばか」
ほら気付かれた、
僕の他にもう一人居るって気付いた男達がわらってる。
見上げるほどに大きい男が僕を押し退けて扉を開けて
泣いてる弟の声が引き攣った。
部屋に入ってきた男は全部で3人、僕ひとりじゃ逃げられないのは子供でも解った。
解ったから、だから
弟の目の前に立って愉しそうに笑う男の足元に走り出した。
再び振るわれる銀の刃が見えたから。
いつもなら泣き止むまで歌ってあげていたけれど、今はそれも出来そうにないから
苦しい位に抱き締めて目を閉じた。
強く押さえ付けるように抱いた手に触れる、
長く伸ばした髪はその時ですら眩しくて、少し硬くて、まっすぐで
僕の背を裂いたのは一瞬の熱と、思ったより長く続いた一本の痛み。
まるで命を惜しむようにゆっくりと刃を引かれて、僕は
床に落ちて、ようやっと伸ばした掌を、大きな足で踏み躙られたことを知った。
弟の声はもう、聞こえてこなかった。
――忘れられないのは、そう
瞼が落ちるその一瞬見えた、男(カタキ)の瞳の中
やがて白い仮面に魅入られたその男
少し大人びた僕が、
微笑いながらその白面 を 毀す 最期。
時折疼いて、思わず眉を顰める。
それは単なる幻痛、解っている
わかっていて尚忘れられないのは――
◆
寒い日だった。
そのくせ雲ひとつ無く、星が目映いばかりにちらついた夜だった。
けれど僕はそんなものを眺める余裕も無く、ただ
二つ年下の弟を、奥の部屋へと押し込んだ。
何が切欠だったろう。
僕の、僕らの何でもない夜は只管に、怒号と足音で埋め尽くされた。
母が作った夕食も、帰宅したばかりの父の土産話も、弟のはしゃいだ声も
音を発する間もなく踏み潰された。
どうして、と、僕は小さく呟いた気がするけど
それは誰にも届かなかったように思う。
父の微かな呻き声を傍らに、一人の男が母に詰め寄り
母は何かに怯えたように立ち竦んだ。
其の足元にはアカが、夥しいほど海になって
母の腕はその中に沈んで、
笑い声が絶叫と混じって耳を撃った。
母の背中に銀色のヤイバが咲いて、アカく
崩れ落ちた身体の中の、双眸だけは弟と同じ青色をしていて
「かあさん」
僕と同じ灰色の髪、父の髪はアカを吸って、もう見えなくて
「とうさん」
僕もそうなるんだって思って、震えが止まった
弟は扉の向こうに居て
窓から逃げろと言ったけど、きっとまだ其処に居て
僕の名前をずっと呼んでる
声が聞こえる
震えているのが解るくらいちかくで。
「にげろっていったじゃないか、ばか」
ほら気付かれた、
僕の他にもう一人居るって気付いた男達がわらってる。
見上げるほどに大きい男が僕を押し退けて扉を開けて
泣いてる弟の声が引き攣った。
部屋に入ってきた男は全部で3人、僕ひとりじゃ逃げられないのは子供でも解った。
解ったから、だから
弟の目の前に立って愉しそうに笑う男の足元に走り出した。
再び振るわれる銀の刃が見えたから。
いつもなら泣き止むまで歌ってあげていたけれど、今はそれも出来そうにないから
苦しい位に抱き締めて目を閉じた。
強く押さえ付けるように抱いた手に触れる、
長く伸ばした髪はその時ですら眩しくて、少し硬くて、まっすぐで
僕の背を裂いたのは一瞬の熱と、思ったより長く続いた一本の痛み。
まるで命を惜しむようにゆっくりと刃を引かれて、僕は
床に落ちて、ようやっと伸ばした掌を、大きな足で踏み躙られたことを知った。
弟の声はもう、聞こえてこなかった。
――忘れられないのは、そう
瞼が落ちるその一瞬見えた、男(カタキ)の瞳の中
やがて白い仮面に魅入られたその男
少し大人びた僕が、
微笑いながらその白面 を 毀す 最期。
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使用されているイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『エンドブレイカー!』用のイラストとして、レクサスPLが作成を依頼したものです。イラストの使用権は発注者に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。